タイ政府は人体と環境への悪影響を懸念し、タイに残る最後の金鉱山の閉鎖を決定した。
バンコクに拠点を置く人権団体Fortify Rightsは、タイ北部のピチット県にあるチャトリー鉱山の運営会社、オーストラリアのキングスゲート・コンソリデーション・リミテッドの子会社Akara Resources Public Co.,Ltdが金鉱山で働く全従業員を解雇を報告し、それに伴い今年末までに唯一の活動的な金鉱山を閉鎖するというタイ政府の決定を歓迎した。タイの与党である軍事政権は12月13日、地元住民と環境への影響のために、全国の金鉱業を年明けから停止すると声明を述べた。今後、鉱業のための新しいライセンスは発行されないという。タイ政府は5月、首都バンコクから280キロ北に位置するチャトリー鉱山の経済的利益よりも環境面での懸念が重要だとした後、タイで唯一の金鉱山を閉鎖すると発表していた。
2015年1月に政府の調査チームは、オーストラリアのキングスゲート・コンソリデーション・リミテッドの子会社であるAkara Resources Public Company Limitedが管理、運営するチャトリー鉱山で、人体への悪影響が懸念されるヒ素とマンガンが300人を超える鉱山労働者から検出されたと述べた。バンコクに拠点を置く人権団体のFortify Rightsは、鉱山を閉鎖するという決定を歓迎した。「今回の決定は、金鉱業に関連する健康および環境への影響の修復に焦点を当てるべきである」と、Fortify Rightsの人権専門家は述べている。
Akara Resourcesは2015年に4トンの金を生産し、輸出している。そのライセンスは12月31日に失効する予定となっていた。同社の鉱業活動は住民、水道、農作物を汚染したという地元民の抗議の中心にあった。声明の中で、キングスゲートのグレッグ・フーリス最高経営責任者(CEO)は、タイ政府の決定を受け入れながらも、「村人の環境や健康を傷つけたことはない」と述べた。Akara Resourcesで働いていたすべての従業員は、解雇手紙と企業報酬パッケージを受け取っている、と付け加えた。