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タイ民政復帰はまだ遠く。タイ新国王が新憲法案の修正を要求

タイ軍事政権のプラユット暫定首相は10日、新憲法の草案について、昨年12月に即位したワチラロンコン新国王の権限に関する条項を修正するよう王室から要請があり、政府はそれに合意したと明らかにした。タイ軍が支持する新憲法案は昨年8月の国民投票で承認され、民政復帰に向けて総選挙を実施するという政府の計画の中心であり、公布へ国王の署名を待つばかりだった。タイは立憲君主制で、国王が公に政治的な事案に介入することは珍しい。プラユット暫定首相は「国王の権限に関して3、4カ所の修正の求めがあった」とした上で、「この問題は、国民の権利や自由とは何ら関係がない」と記者団に述べた。具体的な修正内容については明らかにされなかったが、修正の要求には、国王が外遊中に摂政を任命する義務の除外などが含まれるとみられる。タイでは2014年5月の軍事クーデター時に旧憲法を廃止。現在は軍事政権が定めた暫定憲法に従い、民政復帰に向けた準備を進めている。選挙制度などを定めた新憲法の制定はその柱であり、暫定憲法によると新憲法案は提出から90日以内に国王の署名を得る必要があり、期限が来月6日に迫っている。それを過ぎると廃案だが、プラユット暫定首相は国民投票を経た憲法案が国王の意向で廃案となる異常事態は避けたい考えだ。新憲法案は約280条からなる。修正点はごく一部だが、そのための手続きが煩雑になる点で影響は小さくない。まずは暫定憲法が定める署名期限を延長し、憲法案の取り下げや修正、再提出などの規定を新たに書き加える必要がある。一方で暫定憲法は安全保障などにかかわる重大事についてプラユット暫定首相に超法規的な「非常大権」を与えており、首相はこの強権を発動して手続きを進めるとみられる。国民投票の再実施は避ける構えだ。一連の手続きについてプラユット首相は「暫定憲法の修正に1カ月、憲法案の修正作業には2~3カ月かかる」との見通しを示した。その後、新国王に再提出する。国王の署名に改めて90日間の猶予をもうければ、最長7カ月もの時間が必要になる計算となる。このため2017年末に予定された総選挙は18年半ば以降に、選挙結果確定や閣僚選任を待って民政復帰するのは18年後半以降にずれ込む可能性がある。

出典:ロイター通信、日本経済新聞

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