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タイ電子決済革命はタイ4.0とデジタル経済の幕開け

ファイナンシャルテクノロジー、「FinTech」は、タイ4.0における金融業と金融サービスに変革をもたらすことが期待されている。金融取引は従来の現金ベースから電子決済に移行し、今後、「キャッシュレス社会」への劇的な移行は避けられない。タイ財務省のソムチャイ事務次官は、ファイナンシャルテクノロジー(FinTech)の機会と課題に取り組み、タイ国内の電子決済システムを推進する最前線に立っていると述べている。このイニシアティブは、「全国電子決済マスタープラン」と呼ばれ、デジタル経済がタイで浸透し、繁栄するための環境作りに役立つと信じられている。「全国電子決済マスタープラン」は、次の4つの主なスキーム(枠組みをもった計画)で構成されている。

タイランド4.0の電子決済マスタープラン

1.プロンプトペイ制度

銀行口座番号に紐付けられた携帯電話番号、身分証明証番号を使い、ATM(現金自動預払機)やインターネットバンキングで送金できる新システムであるプロンプトペイ制度は、金融取引を円滑にし、資金移動のコストを削減することを目指している。 また、プロンプトペイは5,000バーツ未満の金額の資金移動は、振込手数料が免除されるので、既存のシステムに比べて安い選択肢になる。登録は2016年7月から開始され、個人間の資金移動のためのプロンプトペイ制度は現在、タイ国内に浸透し、2000万以上のIDが登録されている。次は、機関や企業の資金移動のためのPromptPayシステムを目指すという。

2.デビットカード使用拡大計画

預金口座と紐付けられた決済用のカードであるデビットカード使用拡大計画は、現金の代わりにデビットカードの使用を促進することを目指している。このプログラムでは、デビットカードによる支払いを受け入れるために必要な電子データキャプチャ(EDC)マシンをさらに多くの店舗やベンダーに提供することを目標にし、店舗や売り手には、2017年3月以降、電子データキャプチャ(EDC)機器を設置するためのインセンティブ付与の税の優遇措置が与えられる。

3.eTaxシステム

国税に関する申告や納税、申請・届出などの手続きを行う電子申請サービスであるeTaxシステムにより、今後、統合された電子税制システムを創出することを目指している。この制度の初期段階としてタイ政府は税務書類、特にe-Tax請求書とe-領収書の電子提出を可能にするための規則と規制の改革に取り組む。近い将来、税金の払い戻しは、従来の小切手支払方法と比較して、迅速で便利なPromptPayシステムで処理することもできるようになる。その後、他の種類の税金も徐々に電子プラットフォームに移行していくことを最終目標としている。

4.eペイメント

社会福祉と政府のeペイメント(インターネット振込)制度は、政府の金融取引を従来の現金から電子形式にアップグレードすることを目指している。政府は、社会福祉のための支払いが電子的手段によって行われるように、支払い制度を改善している。この第1段階として、新生児のための政府補助金の支払い方法をeペイメントに変えた。2017年1月、この新制度のもと、全国の新生児168,000人以上の両親が支払いを電子的に受け取った。次のステップでは、老後年金、地方政府の福祉費支給、村の保健ボランティア会員への補助金など、あらゆる種類の福祉給付を電子プラットフォームに移行することを目指している。市民情報、特にその社会福祉受給者の包括的なデータベースは、将来的に社会政策を形成する際に特に有用となる。

タイ財務省のソムチャイ事務次官は「この国の電子決済マスタープランは、タイ4.0の成長モデルとデジタル経済政策の両方に沿った発展に積極的に貢献していくことになる。より効果的かつ効率的に経済活動を行うことができ、取引コストと現金処理コストが大幅に削減される。税金や政府関連の支払いはより透明性が高くなり、社会政策はよりターゲットをしぼったものになるだろう。国家の競争力は改善され、タイのデジタル時代の経済成長がさらに促進されるだろう。」と語った。

出典:The Nation

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