タイ、フィリピンなどの東南アジアを中心に現在、多発している「トランプ賭博詐欺」がパタヤで発生した。全部で7人のヨーロッパ人がトランプ賭博詐欺被害にあったとして報告を受けたパタヤ警察は、1月31日、パタヤのスクンビット通りにある家を襲撃し、トランプ賭博詐欺を行っていたフィリピン人の集団を逮捕した。このフィリピン人達はタイに約1年間滞在し、バーンラムン郡のソイ62にある2階建てのタウンハウスを借りて生活していた。パタヤ警察は、これまでに7人のヨーロッパ人男性がトランプカードを使ったトランプ賭博詐欺に遭い、被害総額は500万バーツに上ることを報告した。逮捕された3人のフィリピン人、Oliver Gamboa(47歳)、Merinda Ramirez(64歳)、Jovelyn Tabangcura(33歳)はパタヤビーチロードやウォーキングストリートを訪れる観光客を言葉巧みに騙し、借りているタウンハウスに連れて行き、トランプを使った詐欺行為により、金銭を観光客から騙し取っていた疑いが持たれている。被害者となったヨーロッパ人は高齢なドイツ人及び、英国人とオーストラリア人であった。
トランプ賭博詐欺とは?
(1)旅行者等がショッピング・モールや繁華街を散策中、地元の者と思われる人物(老若男女を問わず、一人とも限らない。比較的こぎれいな身なりをしている場合が多い。)から、「近く、家族が日本へ留学するので日本の事情について教えてほしい」、「知り合いが日本に興味を持っている」などと声を掛けられる。
(2)声を掛けてきた人物は、付近のファーストフード店やコーヒーショップなどでしばらく会話をした後、頃合いを見計らって、例えば「家族にも話を聞かせてやってほしい」、「自宅に日本語で記載されたものがあるが、何が書いてあるのか説明してほしい」などと言って、自宅と称する場所へタクシーやジープニー(乗合自動車)で連れて行く。なお、移動中は絶えず話しかけられることから、土地勘のない被害者が移動経路を覚えることは非常に難しい。
(3)自宅と称する場所に着くと、家族等が温かく出迎えてくれて、説明が一通り終わると、そのお礼にと言って食事等の歓待を受ける。その後、トランプ遊びを誘われ、手ほどきを受けていると「これから知人の金持ちが来ることになったので、一緒にその金持ちをカモにしてやろう」などと持ちかけられ、トランプ賭博をせざるを得ない状況になる。
(4)当初は指示どおりに賭けていると勝ち続けるが、相手がこれが最後だと言う言葉につられ、賭けに応じると、あっという間に負け込んでしまい、多額の支払を迫られる。
(5)最終的には持ち合わせた金品を全て巻き上げられたり、クレジット・カード等を使ってキャッシングを強要される(当然、自宅と称する場所に居る家族、後から来た知人も「トランプ賭博詐欺」の一味であることがほとんど。
外務省の公式ホームページから抜粋