混乱の続くタイ深南部でまたしても事件が起きた。タイのムスリム(イスラム教徒)の最も多い4県の1つ、マレーシアとの国境を有するナラティワート県のラゲ郡で30日午前8時50分ごろ、地元の警察署が銃撃を受けた。朝礼中の時間を狙った犯行で、ピックアップトラックの荷台に乗った複数人がラゲ警察署前を通り過ぎる際に自動小銃を乱射した。この襲撃により、警察官1人が死亡、5人が重軽傷を負った。事件後、犯行に使われたピックアップトラックは同日早朝に別の地区で盗まれた盗難車であることがわかった。また、警察署前のCCTVの映像と目撃証言から、事件は建設労働者に扮した6人による犯行であることがわかっている。死亡した警察官は二等巡査のポンサトーン ケオプラサート(Pongsathorn Kaewprasert)23歳であることが報告された。殉職したポンサトーン二等巡査には少佐の階級と遺族には支援金が贈呈される予定。
ナラティワート県では29日、マレー系イスラム武装勢力のメンバーとみられる男2人がタイ軍兵士と銃撃戦の末、射殺される事件が起きており、タイ治安当局は今回の警察署襲撃を報復とみて、調べを進めている。この2人は、3月2日にルーソ郡の村長ソムチャイ・トンチャン(Somchai Thongchan)氏と8歳の男の子を含む4人の殺害に関与したとされ、指名手配されていた。