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太った仏教僧侶

タイの僧侶に多い生活習慣病はどうやったら治るのか

タイの仏教は厳格で規律を重んじるイメージがあり節制された食生活故に肥満とは無縁のものだと思われがちである。しかし現在僧侶の間に生活習慣病の波が及んでいる。生活習慣病とは高血圧、高コレステロール血症(高脂血症)、糖尿病など、生活習慣によって被る疾患の総称をさす。タイの保健省が2016年〜2017年の間に行ったバンコクの全50区にある200の寺院を対象とした調査では僧侶の約60%が高コレステロール血症で約50%が高血糖であることが判明している。この血圧、脂質値、血糖値のうち2つ以上に異常が見られ、複数の生活習慣病が重なっている状態をメタボリックシンドロームと呼ぶため、日本では「メタボ僧侶」などと呼称されている。タイ政府はこれまでに僧侶の生活習慣病予防、肥満対策に取り組んできたものの、今一つ効果がなく、メタボな僧侶は日に日に増えつつある。

そもそもなぜここまで肥満が多いのかという疑問が浮かぶ。それは仏教より由来する厳格さそのものが原因のようだ。

  • 僧侶は人から与えられた食べ物、施しを受け入れなければならない。
  • スポーツのような運動を認めていない。

主にこの2つが原因のようだ。前者の場合は戒律故に断れないあることに加え「お坊さんにいいものを捧げて徳を積む」という人々の信仰があるために、どうしても健康を度外視した高カロリーなものになりがちになってしまう。

高カロリー、運動不足では太ってしまうのも無理がない。ヨガやストレッチなどの軽い運動は認められているというが、摂取したカロリーの消費には遠く及ばない。

実際には多くの僧侶は生活習慣病の危険にさらされているため、味付けの濃ゆいものや、脂っこいもの以外を食べたいと切に願っているそうだ。僧侶の生活習慣病を減らすには、まずは食生活を改善することが最も近道に思える。そのためには施しを与える側である国民一人一人が僧侶の健康を考慮できるように意識を変えていく必要があるのかもしれない。

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